愛撫とともに毒を増していくような甘美さをもって、飴色の蝶は、濃紺の街を照らす街灯のまわりを芳しい香りをふりまきながら優しく舞っている。そして、高貴なその輝きは幸せをもたらす。
まだ生まれぬ鳥が、その羽ばたきを求めて大空に飛び立たんとしている。卵の破片は蝶の形となり闇夜を切り裂く。妖艶でエレガントな空間がそこには広がっていく。
虫たちが寝静まった真夜中、かぐわしい香りのする庭園にしとやかに雨が降りそそぐ。庭園の池には雨だれがリズミカルに水玉模様を描いている。しっとりと美しく真珠がひかりをはなつ。
日本の戦国大名が銀河を超えて生まれ変わった。漆黒の仮面の中に九曜の輝きの瞳を持つその人物は英雄なのであろうか。厳かに妖しく紋が輝く。
カタクリの紫の花が咲く里山を、漆黒の蝶が真夜中にゆらゆらとたゆたう。蝶の飛翔にあわせて美しく儚い音楽が聞こえる。そこでは優雅に時が流れる。
古より伝わるその誇りたかき朱色は、世界のあらゆるところを旅し劇的な音楽を創り出している。二つの大国の友好を祝う伝説的なコンサートから、その朱の蝶は世界に飛び立った。